以前は金木犀の香りがあまり好きではなかった。クセのある甘い香りは主張が強すぎるような気がした。
しかし、気になる香りではあり、以前のブログにも何度となく書いていた・・・ということを今も覚えているほど、気持ちを掻き立てるインパクトがあるのは確か。
その後しばらくブログを書かないで年月を経てしまった。毎年10月の始めには必ず金木犀の香りがしていたはずだが、あまり覚えていない。金木犀が香るほんの一週間ばかりの日々が、とくに意識に上ることもなく過ぎ去っていたのだろう。意識に上らないことは書かれもしない。
久々にブログを再開したら、金木犀の季節が来たことに気づいた。どうやら、昨年までより幾分、自分の季節感が戻ってきたようだ。そして、香りによって、過去に書いたことを思い出し、書いたものを読み返すと忘れていたその時の感情がよみがえる。
進歩も成長もないような気がしていても着実に変化はある。今年は昨年と同じではない。昨年の今頃は、会社を辞めることを決め、退社時期を具体的に考えているところだった。
しかし、季節の巡りは几帳面に繰り返し、時は同じところをぐるぐる回っているだけのようにも思える。地球規模で見ると、温暖化やら環境の変化やらで、気づかないほどの変化が毎年少しずつ進行しているのだろうか?そう言えば、金木犀の開花がだんだん早まっているような。
・・・今年は金木犀が香りませんでした・・・
いつかそんな年が来たら世界は滅びるのだろう。
また一年が経ち、金木犀の季節がちゃんと来た。今年はその香りにいち早く気づいたのが妙に嬉しかった。なぜか香りも以前より好きになった。
金木犀が高らかに宣言しているのが頼もしい。
秋が来た。