原発から出る高レベル放射性廃棄物(いわゆる「核のごみ」)をどうしたらいいのか? 日本国内で地層処分を研究している拠点の一つ、北海道にある幌延深地層研究センターを訪ねることになった。今年の初め、この問題を考えるために岐阜の瑞浪超深地層研究所を見学して話し合う中学生サミットを取材したご縁だ。
北海道に向かう直前の7月28日、核のごみを地下深くに埋める最終処分の候補地になり得る地域を日本地図上に示す「科学的特性マップ」が発表された。
科学的特性マップの公表用のサイトは資源エネルギー庁のHP内に設けられており、概要の説明、これまでの経緯などがわかるようになっている。
また、地層処分処分実施主体である原子力発電環境整備機構(NUMO)のサイトでも公表されている。
少し時間が経ってしまったが、今でもウェブで読める国内主要各紙の報道ぶりは以下の通り。
www.sankei.com
会員登録が必要なようだが、毎日新聞はこちら。
https://mainichi.jp/articles/20170729/ddm/010/010/021000c
読売新聞の記事はウェブではもう読めないようだ。
英文ではジャパンタイムズが共同通信の英文ニュースを配信している。
その後でfeatureも出ている。
www.japantimes.co.jp
NHKはWEB特集を組んでいたが、もうリンク切れ。ニュースサイトはこちら(このニュースが配信された日付不詳)
一方、原子力資料情報室(原子力に頼らない社会を実現するために活動している団体;CNIC=Citizens’ Nuclear Information Center)は、マップの公表を受けて、次のような声明を出している。
原子力資料情報室としては、マップの公表は「現行の再稼働ありきの原子力政策や安易な地層処分に反対の声を上げる良い機会を提供した」と考えている。そして、「国民的合意がないまま原発再稼働を急ぎ、処分困難な高レベル放射性廃棄物をさらに生み出しながら、地層処分の必要性を説かれても、誰も納得しないであろう。」「適地提示を機に、これまで原子力と縁のなかった地でも、行き場のない核のごみの矛盾が広く知られることになり、より大きな脱原発のうねりが生まれることだろう。私たちは、破たんしている原子力政策を根本から見直すことを訴え続けていく」と述べている。
また、「科学的特性マップ」の公表を受けて、公表数日間の新聞各紙やテレビによる報道の特徴や地域の反応を分析する試みもある。
これによると、立地地域など原子力と関係の深い地域では国による取り組みへの期待感が示されており、一方、地域としての対応については、「受け容れられない」と表明している地域がほとんどである。9月から国とNUMOが「全国できめ細かな対話活動を丁寧に進めていく」ということだが、さて、どうなることだろう。
それに先立つ8月初め、北海道の幌延深地層研究センターを見てきた。(続く)