よろず編集後記

よろず編集者を目指す井内千穂のブログです。

ご縁に導かれ ~京都発!「福島震災復興プロジェクト」①~

何かアクションを起こすのは、誰かからの何らかの呼びかけがきっかけである場合が多いが、その呼びかけに応じるかどうかは自分の意志である。そして、アクションは、たとえ、それがささやかなものであっても、必ず新しい出会いをもたらし、次のささやかなアクションにつながっていく。

昨年末、中高生たちの「サミット」に同行して六ヶ所村まで行った時、生徒たちを引率してこられた各地の気骨ある大人たちにも出会った。その中で、京都教育大学附属京都小中学校の野ヶ山康弘先生にお声かけいただき、京都の中学生たちが福島の高校生たちと一緒に被災地を見学して学ぶ研修プログラムに同行させていただいた。

それは2月上旬の話だったが、半年も経った真夏の今頃これを書いている。相変わらず余裕なく諸々の仕事の締め切りに追われていたというのは言い訳にならないが、記憶が鮮明な直後とは違った、数カ月を経ても印象に残っていること、その後の福島再訪のこと、都内で日頃見聞きする話も踏まえて、思い出しながら書いておきたいと思う。

まず、いただいた「しおり」から、この研修プログラムの趣旨を。

東日本大震災から7年が経ち、東北地方の震災からの復興が進んできている様子がマスコミでも良く流れるようになってきています。しかし、その陰で福島の震災復興の抱える課題はとても重く、解決には次の世代まで引き継がなければならないことも多く存在ます。その課題に自分事として向き合っていくことが、今後の未来を創造していく生徒たちにとって、必要なことではないかと思います。被災地の福島であるとか、被災地から遠い京都であるとか関係なく、同じ未来に向かう若者同士が知恵を出し合って、解決に向かって行かなければならない、とても難しい課題ではないかと思います。

京都教育大附属京都小中学校は、福島県立安達高校と3年ほど前から交流がある。昨年度、東京で行われたサイエンスアゴラに両校の代表生徒が参加してこれまでの取り組みを共同発表し、福島サイエンスプラットフォームの一員としてサイエンスアゴラ賞を受賞。その後も両校の代表生徒が互いの学校を訪ね合い、昨年12月には、六ヶ所村を訪ねる中学生サミットに一緒に参加するなど、交流を深めてきた。

「このように両校が交流を深めてきている中での福島訪問です。これまで以上に深いつながりの中で、生徒たちが自らの力で、この震災復興という難問に立ち向かい、将来につながる解決の糸口を切り開いてくれることを期待しています。」と野ヶ山先生と福島県立安達高校(当時)の石井伸弥先生の連名で記されている。

2月8日。東京から常磐線北へ。その日の朝に京都を発って新幹線と常磐線を乗り継いでやってきた京都の中学生たちと、正午過ぎ、いわき駅のプラットフォームで合流する。今回の参加者は中学2年生の女子5名に男子2名。六ヶ所村ツアーにも参加していた3名の顔は覚えている。

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駅前に停車していた貸し切りバスでは、安達高校の生徒たちが待っていた。1年生から3年生までの6名に加え、卒業生の大学生が1名、全員女子だ。やはり、六ヶ所村にも参加していた5名の顔は覚えていた。安達高校は女子高ではないが、たまたま、参加希望者が女子生徒ばかりだったようだ。それに合わせて、今回は京都からの参加者も女子生徒を多めに募集したらしく、一行の中では少数派となった男子2名はやや遠慮がち。日頃と勝手が違うようだ。元気な女子生徒たちは、六ヶ所村以来の再会の喜びも相俟ってバス内で早速盛り上がる。

引率の先生方や、解説を務めてくださった福島大学共生システム理工学類教授の岡田努先生と挨拶を交わすうちに、一同を乗せたバスは国道6号線を北へ向かった。私は自分が今ここにいるご縁の不思議を感じながら、バスに揺られた。(続く)