よろず編集後記

よろず編集者を目指す井内千穂のブログです。

2016-01-01から1年間の記事一覧

白熱教室2016@東工大『甲状腺検査って・・・どうなんだろう?』

日曜の昼下がり。大岡山の東京工業大学蔵前会館で高校生向けの「白熱教室」が開催された。 テーマは、東日本大震災で起きた福島第一原発の事故を踏まえ、県内の子どもたちの健康を長期的に見守るために福島県が実施している甲状腺(超音波)検査。 私がこの…

バイエルン放送交響楽団来日公演@ミューザ川崎

大学時代の先輩に誘っていただき、来日中のバイエルン放送交響楽団の演奏会に出かけた。 久々のミューザ川崎は早くもクリスマスムードに包まれている。 今回は舞台下手を見下ろす3階席だったので、舞台上のハープやオルガンあたりは死角になったものの、盛り…

ざっくばらんに話し合える場とは?~地層処分カフェに参加して

原発絡みの問題については、自分だけでは何をどう考えていいのかもわからず、無力感と絶望感に陥りがちだ。 どうしたらいいのだろう?自分にできることなんてあるのか? ということで、稲垣美穂子さんが主催した地層処分カフェに行ってきた。 chihoyorozu.ha…

核のゴミの地層処分について考える場

原発から出る高レベル放射性廃棄物をどうするのか? 数年前まで私はそんなことを意識することもなく暮らしていた。この問題の深刻さに初めて気づいたのは、東日本大震災で福島第一原発が事故を起こしたことがきっかけだから、まあのん気なものだったと恥ずか…

御宿でも黒沼ユリ子さんのヴァイオリンはひるまない

10月1日に千葉の御宿では黒沼ユリ子さんの「ヴァイオリンの家」が初めて一般公開されたはずだ。 chihoyorozu.hatenablog.com 9月30日のオープニングでは、黒沼ユリ子さんと駐日メキシコ大使や御宿町関係者のご挨拶がひと通り終わってから、ヴァイオリンの演…

御宿に黒沼ユリ子さんのヴァイオリンの家がオープン

2014年1月。紀尾井ホールで開かれた引退リサイタルの舞台でアンコールに応える前にヴァイオリニストの黒沼ユリ子さんは客席に語りかけ、突然宣言した。 「私はこのたび日本に帰ってくることを決意しました」 会場からは驚きのどよめきの後、温かい拍手が沸き…

秋を告げる金木犀

以前は金木犀の香りがあまり好きではなかった。クセのある甘い香りは主張が強すぎるような気がした。 しかし、気になる香りではあり、以前のブログにも何度となく書いていた・・・ということを今も覚えているほど、気持ちを掻き立てるインパクトがあるのは確…

安達朋博ピアノリサイタル@杉並公会堂2016その3 ~打ち上げ編~

演奏会の楽しみの中に、終演後の打ち上げというものがある。 高校時代、文化祭のフィナーレを飾る吹奏楽部の本番後、帰宅が遅いと親から叱られたのが打ち上げの最初だったろうか。大学時代はまさに「のだめカンタービレ」的な宴会を繰り広げる学生オケにいた…

安達朋博ピアノリサイタル2016@杉並公会堂その2 ~裏方編~

演奏会って何だろう? 好きな曲をネットからダウンロードしたりCDを買ったりして一人で聴くのと何が違うんだろう? と安達朋博ピアノリサイタルに行って改めて考えてしまう。 chihoyorozu.hatenablog.com 安達朋博氏の演奏を最初に聴いたのは、コンサートで…

安達朋博ピアノリサイタル2016@杉並公会堂その1 ~本番編~

なぜ私はピアノを聴きに行くのか? とよく自問する。 東京では毎日のようにあちこちで、ピアノだけでもいくつもの演奏会が開かれ、自分も慌ただしい日々、どれもこれもは聴きに行けない中で、あれではなくそれでもなく「これを聴きに行こう」と決めるのはよ…

人の世は山坂多い旅の道

先月、伯母が亡くなった。 喜寿を目前にして、短命とまでは言えないものの、今の日本女性の平均寿命より十年短い。同い年である私の母にとってもショックだったろう。しかも、病いが見つかってからほんの数か月で逝ってしまった。 この夏、病院にもホスピス…

野外劇『スカラベ』 by 風煉ダンス in 立川を目撃した

立川に野外劇場出現!! 風煉(ふうれん)ダンスによる野外劇公演『スカラベ』の初日に行ってきた。 家を出た頃、今にも降り出しそうに見えた西の空の怪しい雨雲だったが、立川に来てみると降ってなくてよかった。このところずいぶん涼しくなってきた。 立川…

マザー・テレサの選択、自分の選択

写真展以来いろいろ考えていたところへ、駐日マケドニア大使館からメールが届いた。様々な見解がある中、このたびのマザー・テレサ列聖にあたり駐日マケドニア大使館が日本国民に向けて発信したコメントをここにご紹介しておこう。 現在のマケドニアはマザー…

マザー・テレサでも出る杭は打たれる

百瀬恒彦 写真展「祝・列・聖」に行ってきた、と友人からメッセージをもらった。百瀬氏のお話も興味深かったと言いつつ、彼女はこの記事を読んで戸惑ったようだ。 www.huffingtonpost.jp マザー・テレサについて知ったのがいつだったか、もはや思い出せない…

マザー・テレサを撮った日本人:百瀬恒彦 写真展「祝・列・聖」

去る9月4日、故マザー・テレサが列聖された。 列聖に合わせて、9月1日から9月6日まで、百瀬恒彦 写真展「祝・列・聖」が東京・表参道のプロモ・アルテ・ギャラリーで開催された。 写真展に寄せた百瀬氏の言葉。 「・・・亡くなってから、聖人に列聖されるに…

National Day supplementという広告特集

少し振り返ると、今年の1月いっぱいで実質的に退職するまで私は、広告特集のコンテンツを編集する部署で主に大使館のPR記事を担当していました。 大使館がPRする機会として、ジャパンタイムズでは私が担当していた頃よりはるか昔から、たぶんかれこれ50年、…

江戸のジャーナリズムを垣間見る

週末。何気なくテレビをつけていたら「林修の今でしょ!講座」の傑作選をやっていて、「かわら版で見る江戸時代の大事件簿」というのがなかなか面白かった。元々は8月23日の夜に放送されたトピックのようだ。解説は、映画にもなった『武士の家計簿』の著者で…

今さらだが炊飯器でケーキを作ってみた

突然思い立ってケーキを焼いた。 何年ぶりだろう?ひょっとして10年ぶり? なぜ急にそんなことをしたかと言えば、バナナを捨てるのがもったいなかったからだ。 記事が一段落したら家の中がグチャグチャなのは毎度のことだが、部屋に漂う甘すぎる香りの理由は…

ドキュメンタリー映画『FAKE』・・・佐村河内氏から見れば

新垣隆氏についての記事を書くにあたり、やはり、物事は両面から見ないと・・・と思い、あのスキャンダル後の佐村河内守氏に迫ったという森達也監督のドキュメンタリー映画『FAKE』を観に行きました。 しかも2回行ってしまいました。というのも、「誰にも言…

エンタメとしての音楽と芸術としての音楽の違いって?

エンタメとしての音楽と芸術としての音楽の違いってなんでしょう? それは誰かが決められるものなんでしょうか? このたび新垣隆氏の記事を書くにあたり、それなりに考えてみましたが、考えれば考えるほどわからなくなります。 新垣氏自身も著書『音楽という…

『HIROSHIMA』を超えて『連祷-Litany-』へ、広島より。

ずっと気になっていた新垣隆さんのことを書く機会をいただいたのはとても有り難いご縁でした。ジャパンタイムズを辞めてから初めての音楽の署名記事です。 何回かに分けて振り返ってみたいと思います。 1.『HIROSHIMA』を超えて『連祷-Litany-』へ、広島…

起業家に会うと、ますます24時間考えさせられる

自分では決して思いつかなかったことだが、ふとしたご縁で昨夏ビジネススクールに通うことになり、その流れで、このビジネススクールを経て起業した社長へのインタビュー・シリーズを書かせていただいている。 「ビジネススクールに通った人で成功している例…

時は金なり・・・どうにかしなければ

自分の時間をうまく使うにはどうしたらいいだろう? と考えるのは、時間の管理が下手だという自覚があるからだ。どうしても早寝早起きができない。気がついたら日が暮れている。気がついたら日付が変わっている。気がついたら締め切りの前日で今夜はもう寝ら…

中世は単なる暗黒時代ではなく歴史は繰り返すのかも

ありがたいことに、前職からも折に触れて仕事をいただき、このたび8月22日付のThe Japan TimesのCareer Development特集に記事を書かせていただいた。 これは大学や学校をスポンサーとして、年に2回、新学期が始まる前の9月と3月に発行される広告特集である…

再びブログを始めてみます

ずいぶん時間がかかってしまいましたが、ようやくブログを再開できそうです。 以前のブログの続きではなく、心機一転、新しいブログを始めることにしました。 あらゆることがとっくに言い尽くされている気がしますし、読み切れないほどの活字が溢れている中…