よろず編集後記

よろず編集者を目指す井内千穂のブログです。

事業

福島の今を訪ねるバスツアー③里山の守り人

福島県内の浜通りを国道6号線沿いに富岡町まで南下した後、バスは山間の川内村へ向かった。 川内村は震災後、全村避難を余儀なくされた。山々に囲まれた地形に守られて放射線量は比較的低かったものの、福島第一原発から30km圏内ではあるし、当時は正確な情…

福島の今を訪ねるバスツアーその②無人の浜通り

2011年の震災当時、息子たちが既に中高生だったからか、乳幼児を抱えたお母さんたちほど放射線量に不安を感じることはなかったが、それも日々の忙しさに取り紛れていただけなのかもしれない。それよりも学校が平常通りに機能してくれることのほうが関心事だ…

福島の今を訪ねるバスツアーその①自分の目で見る

震災後の福島に初めて行ったのは昨年春。震災から5年も経ってからだった。 2011年3月11日以降、緊急支援のために多くの人々が被災地に向かい、新聞社の同僚は現場を駆け回って報道を続けた。そんな中、私は東京で家族の生活を守りつつ新聞社での日常業務をこ…

中学生サミット2017その④ ダイアローグは難しい?

一泊二日にわたる中学生サミット。2日目最後のランチタイムを前に早退せざるを得なかった悔いが残り、この際もう一度、生徒たちに会いに行こうと思った。 さすがに六ヶ所村は遠いのでとりあえず横浜へ。最寄り駅から歩いて20分ほどの高台にある立派な校舎で…

中学生サミット2017その③ どうする!?核のごみ

翌朝、討論会場に移動し、この「中学生サミット」のメインイベントである中学生によるダイアローグ(対話)セッションが行われた。 今回参加したのは、横浜の中学1年女子4名と中学2年男子3名、青森県六ヶ所村の中学1年男子3名の合わせて10名の中学生達。全国…

中学生サミット2017その② 中学生の疑問にNUMOが答える

瑞浪超深地層研究所で地下500メートルの坑道から地上に戻るとすっかり日が暮れている。宿泊先のホテルへ移動して夕食後、地層処分に関するトークセッションが行われた。長い一日だ。 この「中学生サミット」は東京工業大学の学術フォーラム『多価値化の世紀…

中学生サミット2017その① 瑞浪超深地層研究所見学

新年早々、冬休みが明けるか明けぬかという週末に一泊二日で開催された「中学生サミット」にオブザーバーとして同行した。 原発の「核のごみ」の地層処分について、最先端の研究施設を見学した上で中学生なりに考えるというユニークな試みである。何回かに分…

白熱教室2016@東工大『甲状腺検査って・・・どうなんだろう?』

日曜の昼下がり。大岡山の東京工業大学蔵前会館で高校生向けの「白熱教室」が開催された。 テーマは、東日本大震災で起きた福島第一原発の事故を踏まえ、県内の子どもたちの健康を長期的に見守るために福島県が実施している甲状腺(超音波)検査。 私がこの…

ざっくばらんに話し合える場とは?~地層処分カフェに参加して

原発絡みの問題については、自分だけでは何をどう考えていいのかもわからず、無力感と絶望感に陥りがちだ。 どうしたらいいのだろう?自分にできることなんてあるのか? ということで、稲垣美穂子さんが主催した地層処分カフェに行ってきた。 chihoyorozu.ha…

核のゴミの地層処分について考える場

原発から出る高レベル放射性廃棄物をどうするのか? 数年前まで私はそんなことを意識することもなく暮らしていた。この問題の深刻さに初めて気づいたのは、東日本大震災で福島第一原発が事故を起こしたことがきっかけだから、まあのん気なものだったと恥ずか…

御宿に黒沼ユリ子さんのヴァイオリンの家がオープン

2014年1月。紀尾井ホールで開かれた引退リサイタルの舞台でアンコールに応える前にヴァイオリニストの黒沼ユリ子さんは客席に語りかけ、突然宣言した。 「私はこのたび日本に帰ってくることを決意しました」 会場からは驚きのどよめきの後、温かい拍手が沸き…

安達朋博ピアノリサイタル2016@杉並公会堂その2 ~裏方編~

演奏会って何だろう? 好きな曲をネットからダウンロードしたりCDを買ったりして一人で聴くのと何が違うんだろう? と安達朋博ピアノリサイタルに行って改めて考えてしまう。 chihoyorozu.hatenablog.com 安達朋博氏の演奏を最初に聴いたのは、コンサートで…

マザー・テレサでも出る杭は打たれる

百瀬恒彦 写真展「祝・列・聖」に行ってきた、と友人からメッセージをもらった。百瀬氏のお話も興味深かったと言いつつ、彼女はこの記事を読んで戸惑ったようだ。 www.huffingtonpost.jp マザー・テレサについて知ったのがいつだったか、もはや思い出せない…

National Day supplementという広告特集

少し振り返ると、今年の1月いっぱいで実質的に退職するまで私は、広告特集のコンテンツを編集する部署で主に大使館のPR記事を担当していました。 大使館がPRする機会として、ジャパンタイムズでは私が担当していた頃よりはるか昔から、たぶんかれこれ50年、…

江戸のジャーナリズムを垣間見る

週末。何気なくテレビをつけていたら「林修の今でしょ!講座」の傑作選をやっていて、「かわら版で見る江戸時代の大事件簿」というのがなかなか面白かった。元々は8月23日の夜に放送されたトピックのようだ。解説は、映画にもなった『武士の家計簿』の著者で…

起業家に会うと、ますます24時間考えさせられる

自分では決して思いつかなかったことだが、ふとしたご縁で昨夏ビジネススクールに通うことになり、その流れで、このビジネススクールを経て起業した社長へのインタビュー・シリーズを書かせていただいている。 「ビジネススクールに通った人で成功している例…

中世は単なる暗黒時代ではなく歴史は繰り返すのかも

ありがたいことに、前職からも折に触れて仕事をいただき、このたび8月22日付のThe Japan TimesのCareer Development特集に記事を書かせていただいた。 これは大学や学校をスポンサーとして、年に2回、新学期が始まる前の9月と3月に発行される広告特集である…